パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

パリ高級老人ホームスキャンダル

こんにちは。


フランスにも数多くの老人ホーム及びサ高住等があります。
フランス最大の老人ホームは、ORPEAオルペアグループです。
精神神経科医のJean-Claude Marianによって1989年に設立されたフランスの民間グループで、ヨーロッパの23か国で1,156の事業所と116,514のベッドのネットワークを管理をしているとか。競合のメディカル主流のKorianグループと2014年に合弁。


ベルギー、ドイツ、スイス、オランダ、ポルトガル、スペイン、ポーランド、イタリア、アイルランド、チェコ、ロシア、、、、多くの国々にあります。


パリ及びパリ近郊でも、私がこのブログでご紹介している昭子さんのル・コルビジェの他に、近年、ヴァンゴッホ、ダビンチ、モーツァルトのテラス、アーチスト、ミュージシャン等、魅力的な名前とホテル並みのおリボンがついた綺麗な箱を作り、富裕層の老人達を迎え入れています。


下記はヴァンゴッホ 老人ホーム

1人部屋の他に、ご夫婦でも入居が可能です。

テラスもあるレストラン。

他に、美容院、ジム、カフェバー、キネ(医療マッサージ)等、色々あります。




こういった施設は、営利主義なので、現場で行き届かない事が多いようで、定期的にスキャンダルになっています。


今回も2022年2月7日に、TVニュースでやっていましたが、暴露本『 Les Fossoyeurs=墓堀人』400ページ、22.90ユーロが出版されたそうです。
ORPEAグループの昭子さんの所に翌日8日に行った時には、凄い数の研修生で、わいわいがやがやでうるさく、静かにしていたい昭子さんは、ご機嫌斜めでした。


下記暴露本『 Les Fossoyeurs=墓堀人』に関し、新聞には下記が記載されていました。

下記がジャーナリストVictorCastanet。




ジャーナリスト ヴィクトール氏は、本の内容の問題点を国会で発表しています。こういう所が、フランスの素晴らしさです。問題点を国が正面から取り組んでいこうとしています。
TVニュースでは、ヴェラン健康大臣の指示の元に、国の監視員がORPEAグループの老人ホームに調査に行く事になったのです。暴露本のお陰です。



*人出が少ない⇒急に研修生を増やした
*おむつは、1日1人=3個と決められているようだが、これじゃ足りない。日によっては、お腹の具合が悪い時もあるだろうと、非難された。
*食事原価は、1人1食=1~3€=130円~390円。高級な入居費を支払って、こんな物しか食べさせて貰えないのか!と、高級老人ホームの家族の怒り。
*OPERAグループのヌイイーのセーヌの畔という名の老人ホームが暴露本に書かれたが、ここの入居費は、1か月6000€~12000€=80万円~160万円。有名女優も入居していて、ホームで亡くなった。が、その看護に問題があると、お嬢さんが起訴。
*他の人の父親も同グループ内の違う老人ホーム月額4,500〜5,000ユーロの費用に入居していて、犬のように野垂死にしたとか。息子が起訴。(ホーム入居後2年後に多くの過失のよる事故と虐待によって95歳で死亡との事)
*虐待もあったようだが、虐待した人は、他のホームでも行っていて、今は刑務所に入った。(現場は、黒人さんやら外人が多いので、手荒というか、粗雑な人もいるのは、私も感じた)
*100人以上の入居者家族達からのクレーム。
*調査していた暴露本を出したジャーナリストは、ORPEAから暴露本を出さないように、15ミリオンユーロ=日本円にすると、20億円位の賄賂を提示されたそうだが、事実を訴えるのがジャーナリストの仕事、フランスの国や人々の為と、賄賂をけっての出版だそう。



スキャンダルの中心になったヌイイーの『セーヌの畔』という名の高級老人ホーム





フランスの制度は、カトリックの国という事もあるのか、弱者に優しいと言われています。
目先のお金のビジネスが横行して人々を大切にしないと問題になります。
パリには、未だに修道院も多いからでしょうか。
お金よりも生命、人間が大切という気持ちがベースになっているのが感じ取れます。


人々の助け合い精神のお陰で、夫が車に跳ねられた時にも、歩いていた見知らぬ人がすぐに消防車(救急車は有料で消防車は無料)と警察を呼んでくれ、警察にも事情説明してくれました。有難い事です。後日に、お礼に行きました。


人がメトロや道などで倒れれば、或いは、転んだだけでも皆がすぐに寄ってきて助けてくれます。老人には、電車の中で椅子を譲るのは当然という意識を持っています。


ちなみに、日本人の友人72歳が、メトロのドアに挟まれて引きずられた時に、大勢の人々に助けられて、怪我は無かったものの、数分気絶してしまったので、消防車で病院に連れて行って貰ったとか。



今後、フランスの老人ホームのシステムが、人間らしい温かい物に変わっていく事を願うばかりです。


私ももし可能ならば、80歳過ぎたら、今スキャンダルがありますが、おリボン付きの老人ホームORPEAグループのお安めの所に入りたいものです。。。笑


アンジュ




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