パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

老人ホームの素晴らしい映画

こんにちは。


昨日は、老人ホームで映画をやっていました。


海洋に住む生き物を中心に、なかなか見る事が出来ない深い海の中の様子やら、非常に珍しい海洋の生き物など、科学的なドキュメンタリーでした。



どうやって撮影したのか?というほど、珍しい画面も多く、、、、


説明は少なめに、多くの映像が見られるドキュメンタリーでしたので、私にも興味深く、最初から最後まで見たいほどでしたが。。。



ここは、映画館では無く、老人ホーム。



7~8人位の入居者が、ぼんやりと映像を眺めています。頭が比較的しっかりしている方は、『ほ~っ』とか、相槌を打ちながら、珍し気に見ていました。



89歳の昭子さんは、、、、


つまらない。。。


海はお嫌いですか?


嫌いじゃないけど、山の方が好き。森の方が好き。何が何か全然分からない!


老人性認知症だと、少しでもストーリーがあるものは、理解出来ないのかも知れない。
好き不好きもあるのであろう。


ヴァカンスのお話にも応じない。
この年齢の日本人の方々は、日本でもそうでしょうけど、仕事一筋だったのが伺える。


折角の素晴らしい映画も一部の入居者の方にしか分からないのは、残念。。。



外のマグノリアが満開。お花にもご興味のない昭子さん。
ご興味は、森をお散歩する空想だけ。


でも、日本語で週に2回お話をしていると、頭が活性化してくるのが、私にも分かる。
海外生活者の私達は、母国語で無い言葉で生活しているが、母国語が頭の活性化につながるのが、少しずつ分かって来た。


昭子さんは、こう言った。


私の住んでいるこのマンションは、私みたいな老人が多くなったわ。
まさか、ここは、老人ホームじゃないでしょうね?


可哀そうで、事実は、お伝え出来なかった。。。


とてもサービスが行き届いた良いマンションにお住まいですね。ここは、良い所ですね。。。


そうでしょう。私もここは気に入っているの。良い所よ。


これ以上は、同じお話を10回は繰り返すので、記憶もまだら状態。20%も無いかも。。。


でも、ご両親(120歳過ぎ?)が、もうこの世に生きていない事は、前回から分かったようで、今日も覚えていた。



アンジュ