パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

老人施設でシャンパンが!

こんにちは。


認知症で身寄りの無い89歳の日本人女性を訪問する為に、パリの老人施設に、週に2回行っています。


前回は、そこでシャンパンが出ました!流石フランス! 苦笑
今日は、その理由を記載。


週に頻繁に、何らかのイヴェントを行い、この老人施設では、退屈している老人達を喜ばせて、彼らたちの心のケアをしている。


この日は、昭子さんが大好きなピアノコンサートが、急に行われた。
ちょっと退屈ぎみのアルツハイマーのアニーが、私達がお話している方に来て、
何もイヴェント無いの?
と聞くので、看護ケアの方に聞いたら、
15時からピアノコンサートがあるわよ
と教えてくれた。


クラッシック音楽やピアノが大好きな昭子さんは喜んだ。


3人でコンサートのあるレストランに降りて行ったが、未だピアニストが到着していなくて、準備中だった。


ここの老人施設で大人気のピアニストさんがなかなか来ないので、施設の入居者がピアノを弾き始めた。


やっと到着したリサさんのピアノは、楽しい。
彼が大人気の理由は、老人達を尊重し楽しませてくれるからだろう。
回りにいる老人達に、どんな曲が聴きたい?と、聞き皆が喜ぶような選曲を心掛けている。
さらに、知らない曲でも、『ちょっと歌ってみて』といって、彼が知っている曲ならばすぐに弾いてくれるし、知らない曲ならば、『そのまま歌って!ついていくから』といって、上手に伴奏してくれる。
私が行く有名ピアニストのピアノコンサートとは選曲も雰囲気も全然違うのに、私もリサさんのピアノが大好き。
コンサート後にばったり廊下で会った時にも気さくに、『どうだった?』と聞いてくれ、『最高よ!』と答えた。笑
凄くサービス精神豊富な感じの良い人。フランス人は、皆結構、感じが良いし、明るいし、ポディテイブ。 これが、幸せを呼ぶ秘訣と皆が知っている。

軽快な音楽は、流石プロ。皆がうっとりと聞惚れる。

オオ~ シャンゼリ―ゼも弾いてくれ、皆が合唱。

アニーが看護士とダンスを踊り始めた。皆、とっても幸せそう。

老人達は孤独感があると思うが、施設ではその孤独感も忘れられるイヴェントがあり、幸せそう。アニーも笑顔で嬉しそう。

この日は、月初めだったので、4月のお誕生日の人の名前を呼び、ハッピーバースデーを皆で歌い、おやつにケーキを分かち合ったのだ。
昭子さんが、
貴女も食べない?
というほど、ボリュームがあるが、最終的にお1人でぺろっと残さず食べた。笑


ドリンクは、、、、
ハイ。ブログの最初に記載したように、私達には、レストランのボーイさんが、シャンパンを持ってきた!


良く周りを見てみると、リンゴジュース、オレンジジュース、シードル(リンゴ酒)そして、シャンパン。
なぜ私達はシャンパンなのか?


実は、このシャンパンを持ってきた若い20歳代の黒人のボーイさんは、昭子さんの事をこう呼んでいる。
僕の日本のおばあちゃん
と。笑
とても気さくで親切な若いボーイさん。昭子さんから、教わった日本語を覚えている。
おはようございます。
元気ですか?
ありがとう。


89歳の昭子さんに、
シャンパンはお好きですか?
と聞いたら、何と!
お酒は、好きよ。特に、日本酒が。
なるほど。。。。


ここのレストランでお食事する時には、ワインも頼める。
ここのボーイさんは、昭子さんがお酒好きというのを知っていた! 笑


他の施設だと、ワインテーステイングのイヴェントもあると聞く。


昭子さんの話を書くと、痴呆症では無いと思いがちだが、最初の5分間位の会話は何とかなる。
が、その後、同じ話を10回以上する。
この日もコンサート前は、大喜びだったが、シャンパンを飲んだら、、、


ピアノコンサート良かったね!


あら、ここでコンサートなんかあったの?


と、まるで冗談を言っている人とお話している感じ。苦笑
アルツハイマーでは無く、老人性痴呆。ご自分でも
近頃何だか変。頭がぼ~とする。。。
とか、
あら、どうして、私、この洋服着ているんだろう?
とか、5分前の事は覚えていない。
私の顔は覚えているが、名前は憶えていない。
それでも、フランス語で言われれば、自然にフランス語を話し、日本語で話せば、日本語で返事が返ってくる。
人間は、歳と共に、脳がどんどんと縮小していくのかも知れない。
昭子さんもアニーも150㎝も無いほど小柄。
歳を重ねれば重ねるほど、人間は体も脳も全て縮小してしまうのかも。。。



アルコールと認知症の繋がりはあるが、少しならば大丈夫。
TVでも、ワインなどのアルコールは、2杯までにしましょうと、PRをやっている位だ。


近頃は、ワインよりもミネラルウォーターという人達も増えてきた。
冗談で、『哺乳瓶からワインだった!』というほどのワイン好き男性も多いフランス。
夕方になれば、仕事帰りの人達が、カフェのテラスで友人達と食前酒を飲みながらおしゃべりしているのが当たり前のパリ。



日本の老人施設では、規則が多そうだから、アルコールはご法度でしょうか?


アンジュ