パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

老人は変化が嫌いになる

こんにちは。


パリの老人施設に行ったら、いつも物静かな昭子さんが、怒っていた。


どうも日本より郵便小包が届いたらしい。
老人性認知症だが、覚えている事もある。



介護士さんが言うには、施設の方針で、小包が届いたら、包装紙を破り、中を確認し、責任者のニコルさんが、直接手渡ししながら説明するとの事。


昭子さんが、怒ったのは、


この小包は、自分宛の物では無いし、差出人が誰か分からない。しかも箱の中のお菓子類の袋が1つ2つ封が切られている。
私が封を切ったわけでは無い。
私が小包の包装を破ったわけでは無い。
自分の物では無い、中に毒が入っているかも知れない!
知らない物は食べない。


とまあ、こういった事だった。


看護士の黒人のお姉さんは、こう言う。
私は彼女から嫌われている! この間なんか、私を突き飛ばしたのよ!
どんどんアグレッシブになっていく! 認知が進んでいると思う!


まあ、確かに一度へそを曲げたら、すっごい勢いで怒る。
これを1時間位繰り返すので、ちょっと対応は難しい。
恐らく、自分でもどんどんと覚えていない事が増えてきて、自分自身に腹を立てているのであろうと、私は想像しているのだが、こういう時は、暫く近寄らず、静かにしておくのが良い。


昭子さんの日本の妹さんか、姪御さんが、折角お菓子やキャンデイやあられなどを郵便小包で送ってきても残念ながら逆効果。


一番良いのは、絵葉書だと思う。一文章だけ書いて、名前を漢字で書いてあれば、老人性認知症ならば未だ理解出来る。
認知症では長い文章は読めないし、電話も無理。
絵葉書の風景は何なのかは分かると思う。




歳をとると、どんどん変化についていくのが難しくなっていく。
夫は、スマホはもう要らないと、ガラケーに替えた。それも購入の際にどれを選ぶのかもSIMを入れるのも苦手。PCもYOUTUBEとニュースを見るだけ。


毎日の日常と異なる事があると嫌みたい。変化を嫌う。


私は多様な仕事をしてきたが、近頃では、国関係の難しいフランス語の書類が重荷になり、ストレスになる。


89歳の昭子さんが、小包が届くだけでパニックになり嫌がるのは当たり前のように思えてくる。


少しずつ、確実に、変化に弱くなっていくのが老後という事であろう。
変化はストレスになるのであろう。
同じ日常の繰り返しでさえ困難になっていくのだから静かな生活を崩されると気分良くいられないのでしょうね。。。。


アンジュ