パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

老年者精神医学

こんにちは。


日本の老人施設には、老年者を対象とした精神科医は常時お仕事をされていらっしゃるでしょうか?


日本は、心のケアや精神的痛みをおなざりにしてしまうような印象があるのですが、如何でしょうか?


私の父は、高齢で他界する前は、老人鬱となり精神科に通って薬も処方されていたが、話を聞くと、あまり良い医者では無かった・・・


お譲さんも息子さんも海外住いですか。それは、お幸せな事ですね。


と、子供達が日本にいない事を嘆いていた淋しい老人患者にそんな事が言える精神科医者とは・・・唖然とした。


日本の医者は、患者の心では無く、お金や出世にしか興味が無いのであろうか?


フランスは、コロナ重症患者とか、家族に大きな不幸があった場合や犯罪に巻き込まれたり強姦等は、精神や心のケアをするのが一般的。 トラウマで後から苦しんだり、性格がゆがんだり、色々な後遺症が出るのは分かり切っているからだ。
自殺に発展するのを避ける為に、心のケアをして少しでも明るい日常生活を送れるようにする。


89歳の昭子さんが入居しているパリの老人施設にも実は、2人の精神科医が常時している。老年者を対象とする老年者精神科医というのであろうか? 日本語の適切な医者の専門医名は知らない。きっと、日本にはこの手の医者がいないように思う。


その内の1人と話したら、通常は45分位のセッションだが、施設では、順番に週1回10~15分位話をすると言っていた。
こういう専門医は、80歳以上の患者が多いとか。
要は、老人鬱とか、認知症不安とか、せん妄など、高齢者になればなるほど精神不安定になりやすいようだ。
昭子さんも頭がぼーっとするとか、わけがわからないとか、思い出せないとか、将来への不安と今の不安と混乱状態の時がある。
そういう不安や混乱を緩和させ、新しい環境=老人施設や状況に適応できるように介入する仕事が精神科医だ。老人に居心地よく最後の最後まで人間としての日常を自由に少しでも幸せに過ごして欲しいという事だ。



精神科医は、入居者1人1人の性格や状況や問題点を良く理解していて、アドバイスもくれる。


実は、昭子さんは、日本人のその時代の方々に特有の育ち方をしてきた。これは、私の時代も同じようなものなのだが、日本では、良く下記のように言われると思う。


人に迷惑をかけてはいけません。何でも自分でやれるようにしなさい。


私もそうだった。
だから昭子さんは、89歳になっても介護士がシャンプーやらシャワーのお手伝いで体を洗ってくれたりするのが、大嫌いなのだ。


自分でやります。


と言っても出来ないと、


自分でシャワー浴びた。


と、昔シャワーを浴びた記憶を話して、洗って貰う事を拒絶する。


それを精神科医は勿論把握していて、私にこういった。


ラジカセでも買ってきて彼女の大好きなクラッシック音楽を流しながらシャンプーやシャワーをして貰うのが良いと考えているのよ。ラジカセ買ってくる?


と。なるほど。



ちなみに、他のフランス人の入居者さんの例。
私が帰ろうとエレベーター前にいると、ドアを少し開いて、手招きする。 笑


マダム、どうしたの?


私82歳なの。娘がパンタロンを買ってくれたけど、自分で着れないので、手伝って。


パンタロンを着せてあげて、


マダム、イッセイ ミヤケ風のプリーツ パンタロンがお似合いになるわ~。


貴女親切ね。次回は、私のお部屋にも寄ってね。


と、フランス人高齢者は、上手に人に助けを求め、周りも協力する。




まあ、全てが良いわけでは無く、フランス人は存在感がありすぎてエネルギシュなので、違う面で、


娘に電話して!


と、頻繁にアルツハイマーのアニーさんは、レセプションに行くので、レセプションの人達から煙たがられている・・・
こんなケースもある。



皆人それぞれ違うが、人を尊重している。


老人鬱にならないように、周りが協力的だ。


褒める言葉は言っても、人をけなすマイナーな事は言わない。


人をけなして、決して褒める言葉を言わない方がいらっしゃったら、大変不幸ですね。


アンジュ