パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

老人施設の年次報告会・泥棒がいる?

こんにちは。
ご訪問頂きありがとうございます。


フランスの多くの老人施設では、年次報告会を行っているようです。


今年は、私も初年度ですので、初参加させて頂きました。
会議は、施設の責任者、精神科医、看護婦、昭子さんの後見人と昭子さんの25年来の友人アンヌさんと私の6人。


昭子さんが、レストランで行われている講演会に参加されていたので、事前に昭子さんのお部屋にある2つの小さなクローゼットをアンヌさんと一緒にチェックしました。
というのも、この1週間、昭子さんは、何と!半袖を着せられていたからです。


2個のクローゼットの内、1つのクローゼットは空になっていました。
6か月前の5月位には、20枚ほどのお洋服を後見人が送って来たのに、ほとんど無くなっていました。


高級老人施設の現場では、掃除から入居者様の体を洗ったり、洋服を着せるのは、ほとんどが黒人さん達。この黒人さん達は、良い人とそうでない人が結構はっきりと分かれます。


すなわち、介護ヘルパーの黒人さんが、自宅に昭子さんのお洋服を持って帰ってしまった事を物語るわけですが、証拠は無い。
証拠が無いのに、そういう事を言う事は出来ないのです。


少しでもそれらしき事を言えば、黒人さんたちは、反逆にでるからです。


黒人だからそういう事を言う。それは、人種差別だ!


と。これが、黒人さん達と接する難しさ。
にも関らず、パリには、黒人さんは多く、彼ら達と一緒に住む黒人好きの日本人女性達も存在しています。


元のお話に戻り、今回の会議では、あくまで現状報告のみです。


奇妙な事に、昭子さんの洋服がほとんどありませんが、クリーニングから戻ってきていないのでしょうか?
この1週間半袖を着ていて、咳が出始めています。

と。


対策として、お洋服の棚卸を毎年行うのが良いと、私は後見人に提案。
しかし、肝心かなめの昭子さんは、自分のお部屋に人が入ると怒るのです。
掃除夫が部屋に入っても怒る。



自分が買っているマンションの私の部屋に入らないで!


というのが、彼女の大きな願望。
彼女には、ここが老人施設という事も分からないし、掃除もシャワーも顔を洗う事も人にやって貰うのが大嫌い。不必要と言う。
大変難しい性格で、この会議でもそういう日常の世話の難しさが浮き彫りになったのです。
介護ヘルパーからの話を鵜呑みにした経営陣達の言い分でした。


しかし、昭子さんは、お部屋の外では、長年のブテイック経営で培われたように、相手に合わせて愛想を振りまき、認知症で分からない事があってもフランス語だと上手に話を合わせる事が出来るので、これもまた1つの能力と思います。



昭子さんの長袖のお洋服は、残り数枚・・・


さて、又、購入すべきかどうか・・・
後見人のナナさんは、重いため息をついていました。


アンヌさんは、他の老人施設の年次報告会にも出席していますが、もう1つの方のご老人は、もう食欲無く、食べないというのが大きな問題だとか・・・
すでに、体が死に向かっているというのが、私ですら容易に分かる状態という事です。


それに比べれば、昭子さんの問題は、たわいない・・・ (´;ω;`)


アンジュ