パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

孤独な老人達

こんにちは。


故郷の母は、70歳前後の時に、ご近所に出来た老人ホームにボランティアで手紙の整理整頓とか、雑用をする為に行っていました。
何年か過ぎたある日、辞めてしまったので、なぜ?って、聞いたら、、、


もう、自分が世話をして貰わなければならない歳になったから、これ以上は、、、、


という事でした。
そうは言っても、母は、85歳になる今も未だ老人ホームのお世話にならずに生活しています。笑
ご近所さんと仲良くしているし、息子夫婦も横の家に住んでいるので、孤独感も無いようです。


遠く離れていても親子だからでしょうか? 
私も思いがけず、老人ホームの昭子さんを週に2回、1時間ほど訪問し、お話相手になっています。





今日も老人ホームの2階にエレベーターで上がっていくと、誰もいない廊下をゆっくりと1人でお散歩している昭子さんがいます。


ぼんじゅ~る 昭子さん。お元気ですか?
そう声をかけるといつも同じお返事が返ってきます。


毎日、2時間はお散歩しているから元気よ。ご飯食べて、何もしていないから、元気なはずよね。病気1つした事が無いのよ。


今日は、静かで、誰もいないのよ。


フロアーごとに、下記のような皆で集まって、ヴィデオを見たり、ゲームをしたり、お絵かきをしたり、おやつを食べるリビングがあるのですが、今日は、誰もおらず静かでした。


昭子さんと40分位お話していると、15時半になり、少しずつ、人が集まってきて、今からゲームをやるとゲームの説明をし始めました。
おやつも配ってくれます。今日は、紅茶とフィナンシェ。


最終的に、10人ほどが集まってきました。
ホームに入る方は、大体80歳平均だとか。足の悪い方が半分位。真っ白の髪の昭子さんのような方も何人かいるし、美容院もあるので、綺麗にブロンドに染めている人もいます。


ただ、、、
あまり訪問する人がいないようで、1人の白髪の80歳過ぎの方が、昭子さんにこう言ったのが、印象的でした。


貴女は、頻繁に来てくれる人がいるのね。


と。


昭子さんさえ、こう言います。


ここの人達は顔は知っていても知らない人ばかり。お話する内容も無いし。。。
でも、寂しくはないわよ。私はいつも外出して、森のお散歩に行くから。


前回の時もレセプションで、訪問時間と名前を記載している時にも、知らない老女が近づいて、こう言いました。


貴女綺麗ね。頭撫でていい?


って。知っている顔の老人達ばかりだから、マスクしていても若く見える私をお嬢さんか、お孫さんと思ったのでしょう。


5つ星クラスのホテルのような綺麗な老人ホームに入っていても、皆、寂しい。。。


半年前にも来たことがある老人ホームですが、その時は、びっくりするような老女がいました。
私がエレベーターを待っていると、、、ハンドバックを持った老女が近づいてきました。


貴女はどこに行くの? 私も連れて行ってくれない? フランス地方のアネシーに帰らなければならないの!


????


おやつの時間ですよ~。マダム、こちらでおやつを味見してみて。


と、ハンドバックを持った老女を介護士さんが連れて行きました。
事情の分かる方に聞いたら、、、
地方の資産家のおばあちゃんとも見えない小奇麗なマダムですが、痴呆症になり、誰も面倒を見れる人がいないから、ここの老人ホームに入れたそうですが、ご本人は、自分の家に帰りたがっているので、いつもバックを持って帰ろうとしているのだとか。。。


老人ホームは、孤独な老人達が多いです。
ぎりぎりまで自宅で生活する方が幸せなのかしら。。。
我が家のマンションのお隣のおばあちゃんは、離れた場所に住んでいるお譲さんやお孫さんが手配された看護士さんとお手伝いさんと2人の人が数年間毎日来ていました。最終的に、ご自宅で他界されました。


アンジュ




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老人ホームに届いた小包

こんにちは。


今年になり、老人ホームに昭子さんを訪ねたのは、3回。毎回、日本語での1時間の話し相手。
1回目の1月末も3回目の2月4日もご機嫌麗しく、いつものように、大好きな森のお散歩をイマジネーションで語って下さいました。


ここは、本当に良い所で、大変気に入っています。ブローニュの森も近くにあり、毎日、2時間はお散歩しています。
だから私は健康で、病気1つした事が無い。両親に、彼に、感謝です。



静かに、座って、窓から木々を見ながら、語ってくれるのですが、2回目の2月1日は、状況が違いました。


彼女のお部屋がある2階に行くと、彼女がご機嫌斜めに何か叫んでいます。
いつもリビングのような大きなテーブルのある場所に皆さんが集まって、TVを見たり、講演会(どこかの国や地方などの場所の写真やビデオを見ながらお話を聞く)とか、フラワーアレンジメントのレッスン、お絵かきなどを楽しめるようになっているのですが、日によって、時間によって、誰もおらず、老人が数人いるだけの時もあるのに、その日は、凄く沢山の若い人達がいて、昭子さんに何か言っています。
彼女は、
ノン! ノン!』と、叫んでいたのでした。


何事かと聞いたら、彼女に小包が届き、彼女は自分の物では無い!と言っているとの事。
中身は、下記。 身寄りのない彼女に、誰が送ったのか?


この日は、珍しく研修の若い人達が沢山いて、彼女達は何も知らないので、大騒ぎになっていたのです。
最終的に、ここで仕事されている看護士さんと最後に会う事が出来て、法定後見人からの小包と分かりました。
看護士さんは、『昭子さんのお部屋にセッテイングしておくから大丈夫よ。』と。


老人ホームのシステムは全く知らないのですが、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、シャンプー等の最低限の必需品は、ホームでも購入出来るように受付ロビーで購入出来るシステムです。
但し、スーパーの2倍ほどのお値段。



認知症でお金の管理も日常生活も無理な昭子さんは、買う事が出来ないので、こうやって小包を送っているようです。
香水まで入っていたのが、印象的でした。流石、香水の国 フランスです。笑


その日の彼女は、こう言っていました。


私も機嫌の悪い日もあるのよ。
若い人達と私は違うのよ。もう100年位生きているんだから。
今日は、頭が変! どうして、私、この服を着ているんだろう?
私は健康だけど、神経の病があるの。
頭がぼう~っとして、何か変。。。何も思い出せない
。。。。


と、頭を抱え込むので、


大丈夫よ。私が昭子さんの事を覚えているから心配しないでね。
ここは、貴女のマンションだから安心ね。


と、大好きなお散歩や森のお話に切り替える。


おやつの時間には、ちょっとしたケーキとジュースが出されます。


今日は、歯が痛い。
話すと、歯が触って痛くて、話せない。。。


早めにお暇しました。



アンジュ

パリの老人ホーム ル ・コルビジェ

はじめまして。
今日から、このブログを時々書いていこうと思っています。


パリ郊外の老人ホームに入居されている昭子さんを2022年1月25日から週に2回訪問する事になりました。
訪問は、1時間のみ。日本語で会話するのが目的です。
というのも、昭子さんは、アルツハイマー病なので、母国語での会話が必要だそうです。
しかし、フランス語で話しかけられれば、フランス語で話すし、日本語で話しかければ、日本語で話します。
母国語で話すのが、頭の活性化に良いようです。


昭子さんは、かれこれ5年近く、この老人ホームに入居されているようです。85歳位であろうか? ご本人は、100歳近いと話していますが、お散歩が大好きなので、車椅子も杖も必要ありません。凄くお元気です。お顔もシワも少なく、ツヤツヤしています。


ただ、、、認知症で、記憶が10~20%しか残っていないような感じで、何十回も同じ話を繰り返します。
私の事も覚えていないと思いますが、親しく母と話すようにお話しすると、安心したようにゆっくりと話し始めます。


昭子さんは、生涯独身でお子さんもいないし、友人もいないようです。
背が高くてハンサムな彼は、随分前に他界しています。一緒に暮らしていたわけでは無いようです。昭子さんのご両親は当然他界されていますが、他界されていることももう分からない状態です。
それなのに、私に、『折角訪ねて来てくれたのに、お茶も出さずにごめんなさい』と、言うのですよ。


認知症なので、色々な詳細は分からず、フランス人の法定後見人のお話ですと、倒れて病院に運ばれ、年齢的にも1人での生活は無理と、ソーシャルワーカーがつき、フランス人の法定後見人が、この老人ホームに入居させたそうです。



この老人ホームは、2012年7月にオープンした、『ル・コルビジェ』。ル・コルビジェ建築家風の建物で、フランス最大のORPEAグループ。5つ星ホテル並みの老人ホーム。
パリ郊外にあるので、私のパリ市内の自宅からですと、片道メトロで1時間。
この老人ホームのお値段は、1か月5500€位=70万円超える高級老人ホーム。
入居3年後位に、昭子さんのご自宅だったマンションは、法廷後見人によって、裁判所が売却したようで、その金額が、老人ホーム費用になっている模様。


ホームの扉は2重になっていて、老人達は、付き添い無しでは、外に勝手に出られない。


レストランが横にあるので、食事の時間になると、ここに老人達が集まってくる。


レストランは、勿論フレンチ。日替わりメニューが書き出してある。
前菜とメインとチーズ 又は デザート。ワインも飲める。


夏だと、テラスで食事も可能。


お部屋は、ホテルと同じように、シャワールームとトイレがあり、スイート(29〜35m²)とシングルルーム(20〜24m²)になっている。


お部屋でTVを見ている老人もいますが、昭子さんはいつも廊下をぐるぐると回ってお散歩している事が多い。歩く事が大好きだからこそ、身体はお元気。
ここの半分位の方々は、車椅子か、杖が必要。


私も最期は、こんな綺麗なホームに入居出来れば幸せです。
昭子さんも口癖は、『ここは、大変気に入っています。何の不自由も無く、私はとても幸せ。毎日、朝と夜には、神様に感謝しています。』
この言葉だけを書くと、認知症ではないように思えるのですが、1時間のお話合いの内、この言葉を10回ほどおっしゃいます。
とても幸せな昭子さん。
私の母と同じ位のお年ですので、ホームでは、『貴女は娘さん?』と、良く聞かれます。笑