パリで認知症のブログ

パリ在住のシニアです。リタイアした認知症予備軍の夫との生活とパリの老人ホーム。

☆☆☆パリで認知症☆☆☆

パリの老後や認知症に関する記録日記

老人ホームに来た手紙

こんにちは。 ご訪問頂きありがとうございます。


今日は、老人ホームに行くと、レセプションで昭子さんに来た手紙を渡された。


実は、前回も手紙の事を言われていて、どこに行ったか?分からないとか、昭子さんが受け取らないとか、色々なやり取りがあったので、今日、初めて受け取ったのだった。


日本のご家族からか? と思ったら、何と、パリのマロニエ会からだった。
私もマロニエ会(パリ日本人老人会)に入っているが、80歳前後の方中心の会のようで、私達60歳代は、御呼びでは無いという印象。50歳代60歳代の方々には、評判の良くない会だ。
が、会費は払い続けてはいる。しかし、足は、どんどんと遠のいた。
もっとも、周りの日本人の方で、この会に入っている方も少ない。


昭子さんも昔は、マロニエ会の創立者の会長さんが生きていらした時には、会員になっていたので、名前を憶えている。会長さんは、良い方だった。私も他界される半年前にお会いした。


昭子さんには、もう既に、マロニエ会の会費も払っていないのに、人騒がせな『かわら版の入った封筒』が老人ホームに届いたのである。不思議な事だ。


昭子さんは、読むのも難しい・・・
読みましょうか? 
と、お声をかけたが、要らないと言う。




今日のレクレーションは、お歌の合唱だった。
皆にプリントアウトした歌詞が回ってきて、歌うという趣向。
しかし、昭子さんは、この手の会が嫌い。私も好きでは無い。


よって、今日は、屋上にあるテラスでおしゃべり。


屋上から下を見ると、左手には、昭子さんの窓から見えるお庭。右手には、アルツハイマー病重度のフロアーにあるテラスが見える。


下記が屋上のテラス


今日は、異常気象で日陰で34度、日向で40度近いが、この屋上のテラスは、日陰にいると、そよ風も吹き、実に気持ちが良い。
しかも誰もいないのである。


ラベンダーのお花も植えられていて、私1人だけだったら、嬉々として、居眠りでもしてしまいそうな居心地良さ。 笑


しかし、昭子さんは、こう言った。


私、1人ではここに座るという事は無い。あなたと一緒だから、今日は座っているけど、何かあったら困るから・・・


要は、長年1人暮らしをしてきたので、もし、自分がここで倒れたりしても、誰も来てくれないであろうという不安感が付きまとっているようだ。
離れた場所に人がいる場所で、静かにしているのが安心感があって好きなようだ。


突然、昭子さんは、こう言った。


ここには、車に乗って来たの?


ここには、エレベーターに乗って来たのよ。


5分前の事は、忘れてしまう。


何度も何度も同じ話を繰り返す。


そして、新しいお洋服を1ダース以上も後見人から5月に届いたにも関わらず、今日もボタンの取れた擦り切れて、色褪せしたワンピースを着ていた。もう元の色が何色だったかも分からない・・・
ボタンは2個取れていた。一番上と、ウエスト部分。
座ると、お腹が見えてしまう。


ボタン縫ってあげるよ!


いいわよ。縫おうと思ったら、自分でも出来るから・・・


と、長年の海外での1人暮らし、誰にも迷惑かけず、全て自分で何から何までやって生きてきた自負があるので、人に何かを頼めない。 いえ、頼みたくないのだ。


押し売りも出来ないので、いつもこれ以上言えずに、悲しい思いで老人ホームを後にする。


帰り道、リラのお花?のような木があって、こんなに暑いのに、未だ6月と思い返す。


アンジュ

老人施設で赤いマニュキュアと音楽講座

こんにちは。


今月は、忙しくて、なかなかブログをアップ出来ていないのですが、今日の老人施設での音楽講座が良かったので、お伝えしようと思います。


毎日とまでいかなくてもかなり頻繁に、老人達を楽しませるレクレーションがあります。
先日は、大自然の映画でした。




昨日あたりに? 89歳の昭子さんは、真っ赤なマニュキュアを塗って貰い、手だけは、お綺麗でした。



手だけと書いたのは、前回のブログに書いたように、後見人が昭子さんに沢山のお洋服を送ったのでした。
しかし・・・
勿体無い?と思うのか? お洋服はタンスに仕舞い込み、なかなか新しいお洋服を着てくれないのです。
今日もこの暑いのに、冬のセーターを着ていました・・・泣




そして、今日のレクレーションは、『音楽の講座』でした。


これが、なかなか面白くて、私は本格的に聴き入ってしまいました。苦笑


しかし・・・


最初には、ちょっとしたハプニング。


ナンシーの町から来たアルツハイマーのアニーが、妄想を大声で訴え始めたのです。


『人が倒れて死んでいるから彼方の責任者に言って!』とか・・・


チビの性格の悪い黒人の介護士が、アニーを叱りつけて、部屋に連れて行ったのですが・・・ アルツハイマー病の人間を叱りつけるとは・・・・ ちょっと問題では?




さて、その『音楽講座』、昭子さんには、高度すぎましたが、何人かの人には喜ばれていました。




オペラとオペレッタの違いは?


から始まったのです。


そして、オペラを聞かせて、これは?


『カルメン』


皆知っていました!


作曲家はビゼーです。 カルメンやビゼーの説明をカンタンにして、又、次の曲・・・


最終的に、ビゼー、マスネ、サテイの3人の作曲家に関してのお話と彼らたちの代表作をいくつかCDで聞かせてくれました。


勿論皆が知っている曲ばかり!


私も大好きな曲ばかりで、大満足。


昭子さんは、クラッシックだったら、何でもうっとりと聞いている。



それにしても、こういった講座まで老人施設でやるとは、驚きました。


赤いマニュキュアも塗ってくれるし、飽きない施設です。


私も20年後には、ここに入ろうかしら・・・ 笑


アンジュ

89歳のご婦人用のお洋服選び

こんにちは。


最近は、毎週のように、89歳の昭子さんに小包が届く。


先週は、下記のラジカセCD。


昭子さんは、シャンプーもシャワーも人にやってもらうのが大嫌い。
何でも自分でやってきたので、今でも自分でやりたい。が、洗うのさえ忘れてしまうようだ。
それで、看護士の方々からクレームがきている。
そんな彼女の精神状態を良くするのは、クラッシック音楽。
よって、シャワーなどてこずらせたら、クラッシック音楽のラジオにして、気持ち良くさせてからシャワーやシャンプーをという、施設の精神科医の提案にて、法定後見人のNANAさんと話し合い購入して、お店から送ってもらったのだ。


そして、私が彼女の好きそうなクラッシック音楽のCDを2枚コピーして持参し、一緒に音楽を聴いて喜んで貰えた。


が、89歳の認知症で、記憶は、10~20%しかない。
このCDの聞き方さえ、覚えるのは無理! 
すっかりその辺の所を忘れていた。 笑


ま、看護士が何とかするでしょう。



パリでの長年の1人暮らしは、特に老後は、エコノミーされてきたと思う。このお年位の方々も、なかなか物を処分出来ない方々は多いかと思う。
昭子さんも物が捨てられない。


昨日は、NANAさんからお洋服18枚と靴1足とスリッパ1足が届いた。
彼女と一緒に、大きな小包を開けながら、こういった。


折角NANAさんが、お洋服をプレゼントしてくれたので、新しいお洋服を着て、NANAさんを喜ばせてあげてね。
破れた古いお洋服は、処分しましょうね。


私は、性分で、今までも物が捨てられないのよ。この洋服も捨てたくない。


・・・・


まあ、お洋服は穴があいてボロボロで、正直、高級施設で着ているのは、恥ずかしい。
カーディガンは全部ボタンが取れてしまっているし、袖の肘には、大きな穴があいている。
パンタロンは、ウエスト周りが小さく、ファスナーは半分までしかあがらない。
ジャンバースカートは、前ボタンが取れて、肌着が見えている上に、もう何十年も着ているのか、色褪せて元の色さえ分からない・・・。
ボタン付けしましょうと言っても嫌がる。
が、認知症の方に、NOとは絶対に言ってはいけない事は重々承知しているので、何も言わず、今後を見守りたい。



送られてきたお洋服は、私とNANAさんで、施設の老人用のサイトから選んだ。
施設のクリーニング屋が、皆のお洋服を洗った後に間違えない為に、洋服には、全て名前が入っている。
うん。小学校のようだ。


89歳のご婦人用に、どんな洋服を選んだかって?
下記です。一部だけご紹介。





下記の靴は、履いてみて、すごく履き心地が良いと、お気に入り!
良かった~♡


フランスは、家の中でも靴の生活だから、下記のスリッパは、喜んでくれた。




89歳には、ちょっと派手すぎた? 笑
でも、カタログは、こんな感じのばかりでした。笑
まあ、何歳だから何々を着なければならないという法則は無いし、自由。
昭子さんは、ご自分の歳さえ、分かっていないので、綺麗な色のお洋服には反応が良い。笑


今度施設に行った時には、新しい綺麗な色のお洋服を着ていて欲しいなあ・・・。


                               アンジュ